.あそびの仲間に入れてもらえなくて、幼稚園にいきたくないというのですが

A.子どもの世界もなかなかきびしいところがあります。幼稚園に慣れて友だち関係が深まってくれば、あそびも楽しくなってきます。楽しそうにあそんでいるところへ「入れて」と仲間に入ろうとしたら「だめ」という返事もきます。これをすぐに仲間はずれとかイジメととらえることはできません。

 「誰とでも仲良く」とか「みんな仲間に入れて」とおとなは考えますが、子どもはあそびの中でイメージをふくらませて生き生きとあそんでいるところへ、外来者が入ることでイメージが崩れてしまう、そんなことを察知して「だめ」という言葉が出てくるときもあります。

 しかし、忘れることができるのも子どもの特徴です。このような人間関係も次の日にはガラッと変わったりもします。多くは子ども自身が保育者の援助を得ながら解決策を見つけていきます。こういうことを乗り越えることが心の成長へとつながっていくのです。

.いつも家に帰ってきたときに、誰かにいじめられたと言うのですが?

A.お子さんにとって幼稚園は、たくさんの子どもたちとはじめてふれあう未体験ゾーンです。大勢兄弟や姉妹がいる家庭では、オモチャの取り合いやケンカは日常的におきることですが、現在のように少子化が進むと周囲にあそぶ友だちがいなくて、何不自由なくおとなの中で育ち、そのような経験をまったくしないまま集団生活を体験することになります。

 そのような子どもたちの集団ですから、思うようにならなかった時の相手との力関係をいじめられたと感じている場合が多いのです。先生も「友だちと上手にかかわれるように」「子ども同士、思いやりをもってあそべるように」「生きるためのたくましい力がつきますように」等・・・。子どもたちの成長を願って頑張っています。

 お母さんとしては冷静に子どもの話を聞き、担任の先生との連携を密にして、成長過程で遭遇した障害物をお子さんが乗り越えるのを陰からお手伝いしてあげてください。親がすべての障害物を取り払ってしまったら、お子さんに本当の生きる力は付かないと思います。

.早期教育的な習い事をさせるべきでしょうか?

A.最近脳の研究が進み、幼児期に大脳が飛躍的に発達することが分かってきて、幼児期からの習い事(算数教室、
英語教室等)が大はやりです。

 この時期の子どもたちに学ぶことを強制すれば、その子の知力は一見早くから発達するように見えます。

しかし、いくら知識があるように見えてもこの時期に育てられるべき、いわゆる自発性が育っていない子どもは、結局おとなになってからどこか弱い人間になってしまいます。そして、本当の思考力というのも、この自発性の裏付けがなければその力に限界があります。

 自発性というのは、自分で考え、自分で行動する力です。この力が育つためには幼児期に頭のてっぺんから足の先まで、五感をフルに使って、思いっきりあそぶことが大事です。あそびをとおしていろいろなことを実際に体験することが必要です。その中には、失敗の体験も含まれます。むしろ、失敗をして、それを切りぬけたという体験が自発性を育てるのに最も役立っていると思います。

.子どもの生活のリズムって?

A.幼稚園で生活する子どもは、あそびの中でさまざまなことを学びます。「学ぶということは、変わるということです」という言葉がありますが、幼稚園での子どもの様子を間近で見ながら、この言葉にうなずくことがよくあります。

 ご家庭で自由に生活していた子どもにとって、幼稚園での集団生活は、「こんなはずじゃなかったのに」の連続でしょう。けれどもその思いの中で、子どもは集団生活のルールに気付いていきます。そして同時に、子どもは、集団生活における自分なりの生活のリズムを身につけてきます。

家庭から幼稚園への第一歩となる1学期(4月〜7月)は、そんなリズム作りの時期です。入園・進級で出会い、1学期を共に生活した幼稚園の担任の先生は、この4カ月間の子どもの変化にびっくりさせられ通しです。

 そんな先生にとって、ちょっと心配なのが、幼稚園がお休みになる日、特にお休みの続く夏休みです。せっかく身についた生活のリズムが、跡形もなく消えてしまった。そんなこともあります。

 夏休みは、子どもにとってお楽しみの時です。あまり厳しい生活のきまりを強いる必要はありません。むしろ「お休みだから」というゆったりとした気持ちで子どもを受けとめて、「お休みの間、子どもは先生のいない幼稚園に通っているんだ」というつもりで、むしろ私たちおとな自身が、子どもと共に、日常の生活のリズムを見失わない生活を送ることが大切ではないでしょうか。

.トイレのしつけや衣服の着脱が心配です

A.近年、3歳児からの入園が多くなり、入園後トイレがうまくできるか心配だとおっしゃるお母さんが増えてきました。

しかし、子どもは日々成長していきますし園では友だちをまねるということがありますので、あまり心配はいりません。

また、先生がたも子どもが上手にできるよう親切に教えてくれるはずです。排せつは本来、自然な営みであり、失敗したとき叱るよりも上手にできたとき、しっかりほめてあげて自信につなげるようにしましょう。

 また、衣服の着脱についてですが、まず、衣服は着やすく、ボタン等は子どもの目の届くところにあって、はめはずしのしやすいものを選ぶようにしましょう。

 衣服の着かたや脱ぎかたをゆっくり教えてあげて、あとはお母さんの手出し、口出しは控えめにしたいものです。ボタン1個はめられるようになるだけで大きな自信になり、他のことにも、よい影響がでてきます。

.言葉の発達が遅れているようで心配です

A.保護者から言葉が遅いので心配です、という相談を受けたり、3歳になっても言葉を使ったコミュニケーションができない子どもに出会ったりします。そんなとき、なぜかなと考えます。例えば耳が聞こえない等の機能的障害、発達的問題としての言葉の障害、コミュニケーションの在り方の問題など、さまざまな原因がありますので、その原因を探ることから始めます。

 一番先にすることは、保護者の方とお話しすることです。まず、生まれたときからのこと、例えばお乳を飲むとき、お母さんを見て笑いましたかといったことをお聞きします。耳や声帯に問題がなく、発達的にも問題がなければ、コミュニケーションの在り方が問題になります。このケースで、言葉でコミュニケーションをもつ能力が備わっているのに言葉を使わない子どもがいました。その子はお母さんが質問して、お母さんが答えてしまうという生活をしていたので、何も言わずに済んでいたのです。

 先生からそのことを気づかされたお母さんが対応を心がけるようにしましたところ、その子は驚くほどに噴水のごとく話し始めました。まずは心配ばかりせずに幼稚園の先生やお医者さんに相談しましょう。幼稚園の先生と密に連絡を取り合いましょう。

.登園時にぐずって遅刻したり、休みたがるのですが

A.どの子も入園当初一度は「行きたくない」と言うものです。新しい環境に慣れるまでには時間が必要ですし、親と離れることへの不安もあります。しかし、幼稚園に慣れて、楽しさが分かってくると早く行きたくてしかたがないほどになります。早起きの習慣をつけ、登園の支度にゆとりがあるようにしましょう。

  幼稚園では楽しいことばかりとは限りません。自分の思いが通らなかったり、けんかなどがあると、子どもなりに知恵を働かせてなんとか休みたいような理由を考えます。体調が悪いときは別ですが、訴えは受け止めてあげても、ぐずっているからといって簡単に言い分を通して欠席させないことも大切です。子どもなりに、壁を乗り越えることも必要です。

幼稚園の楽しさは登園しなければ味わえないのです。仲間や先生と遊ぶ経験を大切にしてください。たいていの場合登園してしまえばケロリとして元気に活動するものです。

.じっとしていられず、すぐ他の子に手を出してしまうのですが

A.何故? それは生まれてから家の中で何不自由なく生活して、幼稚園に入園すると、遊具を友だちと譲り合って遊んだり、一緒に行動等をしなければならず、それがなかなか理解できず身に付かないからです。

   必ずその子から見て、相手が押したとか、遊具を横取りしたとか、遊びたいとか、例え勘違いでも、たいてい何か理由があるのです。そして言葉で上手に伝えることが不得手なので手が出る場合が多いのです。

   親として見るに見かねて、お子さんを厳しくビシバシ叱っている光景も見かけます。しかし、そのことが友だちとのトラブルの際、自分が悪いことをして親にビシバシ叱られたときのように、正義の行為として、手が出る原因になっている場合も多いのです。

  幼稚園と家庭がしっかり連携をして、ほめるべき時はしっかりほめ、叱るときは根負けせずに繰り返し口で言い聞かせる努力をすることが、一番の対処方法だと思います。

   お子さんの元気が良ければ良いなりに、このことは頭痛のタネだと思いますが、お子さんにとってどこかで一度は乗り越えなければならない壁。選んだ幼稚園を信じ、長い目で子育てをしましょう。

.言葉づかいが乱暴で困っているのですが

A.幼い子どもが乱暴な言葉を使うということに、あまり神経質になることはないでしょう。その場面に適した言葉や言い方をするのではなく、覚えた言葉をいろいろ使ってみたいだけなのです。いってみれば、「言葉遊び」に他ならないのです。

   入園後、交友関係が広がってきますと、さらに、言語発達が見られると思います。覚えた言葉は何でも使ってみたくて、良くも悪くも手当り次第に使うようになります。乱暴な言葉を使った時は、無視したりして、あまり関心を示さないほうが良いと思います。そのうち、採りあげてもらえない言葉は興味がなくなるものです。ある程度は長い目で見るつもりでいる必要があります。

   ただ、言葉の暴力になるような言葉づかい、汚い言葉、迷惑になる言葉等をひんぱんに使うようでしたら、少しずつ、「その言葉は良くないね」「○○ちゃんが、そう言われたらどう思う」「ママは、その言葉嫌いよ」等と悟してやり『言葉のマナー』に触れていきたいものです。強く叱ることはかえってマイナスだと思います。